1年半ぶりの海外
下田寛典 2022.09.10
最後に海外に出たのは2021年2月。それから海外に行くことはおろか、行こうという気力もなかなか湧かない心境だった。
この8月にカンボジアに出た。ぺピンの中澤さんが、5月(6月?)にヨーロッパに足を運んでオンラインで話した時、「日本に長い間閉じ籠っていると視野が狭窄する」といった話を聴いたことが自分にとって大きな後押しになった。
1年半ぶりの海外渡航は、準備にモタモタして、勘が鈍っていることを実感した。それに、いざ行ってみると、日本の日常と違う光景に、(当たり前のことだけれど)場所が違えば異なる時間が流れていることも実感した。
農村に足を運べば、コロナ前のそれとほとんど変わらない時間が流れていて、ホッとする瞬間だった。首都プノンペンでは、定宿にしていたゲストハウスは売りに出されていて、小さなブティックホテルは軒並み閉業していた。
どこに居ても、どういう時間を過ごしていても、コロナと対比をしてしまうところに、この2,3年間に堆積したものの多くがコロナにまつわることばかりで、それ以外を疎かにしていた自分を見たように思う。相変わらずのプノンペンの排ガスの煙たさに、ハッと目が覚める思いがした。