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昔だったら死んでいた

下田寛典 2021.11.08

一冊の本を読んでいる。『いのちを呼びさますもの』(稲葉俊郎)である。帯には「生きていることの不思議を知る」とあるが、まさに、そんな感じだ。

本を読んでいて、どこまで医療に救われていいのか、という悩みについて思い出した。

日本で産まれ、暮らしていると、高度な医療を過度な経済的負担なく受けられる。けれど、それは「みんな同じ」ではない。医療格差と呼ばれるように、地域や技術、経済的な状況によって、ある人にとって心配ない病であっても、別のケースでは、治癒困難なこともある。

「兎と亀」は、兎がサボらなければ、追いつきようのない競争だ。医療格差をなくす、といったときに、サボらない兎が出場する「兎と亀」のレースのように映る。そのとき、亀はどのくらいのタイムを出せればOKなのか、正直、分からなくなる。

多くの人が健康で安心して暮らせるのは、とてもいいことのように思う。それが家族ならなおさらだ。けれど、昔だったら死んでいた病が、今は治るものになっていったとき、医療に救われてしまう私の命とはなんだろうかとモヤモヤしてしまう。進歩的な医療を享受している身であり、死に損ないを語る資格はそもそもないのだけれど。

だから余計に「生きていることの不思議を知る」というスタンスは心地いい。

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